『料理通信』2018年6月号/「ワールドトピックス」より
http://r-tsushin.com/journal/europe/belgium_2018_6.html
ベルギーでは一般人にも和食が人気で、日本酒への関心も高い。ここ数年は、ワイン以外に日本酒を提案する星付きレストランも増えている。日本酒の酸味や甘味が料理をさらに引き立てると、シェフたちが開眼したのだろう。
これまで日本酒は、原料も醸造工程も異なりアルコール度数が高い中国酒と混同されてきたが、昨今の日本酒人気の陰には、イメージ払拭に努める“酒ソムリエ”の存在がある。
ナチュラルワイン専門の酒販店「ティチュルス」は、プロやアマチュアへの日本酒講習会を開催してきた。オーナーソムリエ、ヴィヴィアン・ブロ氏は「当店が扱うのは酸化防止剤なしのワインだけ。日本酒も防腐剤なしの“自然な造り”で、造り方や飲み方もワインに近く、原料や水など生産地の個性が反映される“テロワールの酒”だ。
酒を飲めば土地の風土や気候、文化まで推し測れ、そこへ旅をしたくなるほどミステリーに富んでいる」との惚れ込みよう。日本酒は、海外で着実にファンを増やしているようだ。